受託開発
2025.06.18
AI画像解析で数量判定の属人化を解消

背景・課題
アルミファクトリー株式会社様は、アルミ加工品の製造を手掛けるメーカーです。ねじ梱包後、梱包されたネジの重量誤差チェックを行っていましたが、梱包されるねじの組み合わせパターンと1本単位の重要許容誤差でチェックに限界があり、目視でも数量チェックを行っていました。
ネジ山の数が微妙に異なるネジを合わせて梱包した場合、ネジ品番別の数量判定を目視で行うことは労力と集中力が必要でした。

支援内容
弊社ではAI画像解析によるネジ数自動カウントシステムの導入を提案しました。
従来の重量検品では精度に限界があったため、AIによって袋詰めされたネジの種類と数量を画像で判定し、音声で通知・記録することで、検品作業の効率化と精度向上の実現を目指しました。
システムの構築にあたっては、弊社が開発した在庫棚卸向けAIソリューション「AiCon」をカスタマイズし、ネジ判定に特化したシステムを構築しました。
また、独自で画像解析モデルを作成するには時間がかかるため、少ないサンプルデータで検証可能なGoogleCloudPlattform(GCP)のVisionAPIを使い、検証と精度向上をGoogle技術担当のアドバイスも踏まえ開発を進めました。
1. 本番導入に向けたクラウド環境設計とトレーニング
2. 現場のヒアリング・ネジの種類や数量条件の確認
3. サンプル提供をもとにPoC(概念実証)を実施
4. 判定精度・速度・操作性に関する課題抽出と対応
システム構成
本システムでは、タブレット端末とAI画像解析エンジンを活用しネジ数カウントを行います。
技術検証も含まれるため初めから特別な機械を使わず、汎用デバイスで構成可能なため、導入コストも低く抑えられるのが特長です。

支援成果
ねじカウンターを導入することにより、以下のような効果が実現しました。
– 省人化への第一歩:ネジの種類判定・数量カウントが容易に
– 作業時間の短縮:1回の判定は約5秒で完了
– 記録の自動化:結果はクラウドに保存、トレーサビリティ確保
お客様の声
はじめからエッジコンピューティングによる画像解析を行うと認識精度が確認しずらいまま開発を進めることになりますが、提案にあったようにタブレット+GCPを利用しているため、初期コストを抑えて安価で精度検証をしながら進めることができました。
実際に利用することで目で数えるミスが減り、記録が残るので、安心して出荷できるようになりました。